去年のゴールデンウィークでした。
高校卒業以来、ずっと東京暮らしの僕のところへ母が遊びにきたのです。
やはり、いつまでたっても僕のことが気になっていたみたいで。
東京に出てくるとき、女にだけは気をつけろと口すっぱく言われたものでした。
取りあえず、母が来るってことでエロ本は全てロフトにしまいこんだ。
ところが、僕がシャワーを浴びている間に見つかってしまったのです。
まさかロフトの階段を母が降ろすとは。
母は「掃除でもしてあげようと思って・・・」とごまかしていましたが。
息子の生活ぶりを探ろうとしていたのかも。
でも、見つかったエロ本が最悪でした。そう・・・、近親相姦の本です。
しかも母親モノ。
「これ・・・」と母が差出した手には「母子相姦」モノが握られていました。
「彼女はいるの?」って聞く母の声が少し上ずっていました。
「イヤ、いないんだ。」
「こんな本読んでるからじゃないの? まさか、変な不倫とかしてないわよね?」
そう問い詰める母に、「そんなんじゃないよ」と力なく応える僕。
「風俗なんか行ってないわよね?」
「エ?・・、行ってないよ。そんなの。」
「男なんだから、Hなことに興味があるのは分かるけど、ダメよ。ちゃんと
勉強して、まじめな女の子とお付き合いしなさい」
母が発した「H」という言葉に敏感に反応してしまったのです。
バスタオルの下でムクムクと大きくなってしまい、母も気づいてしまいました。
「あら・・・、何で?」
母の表情がほんのりと赤くなるのを見て、思わず言ってしまったのです。
「実は、母さんが好きだったんだ。ずっと。」
「エ、そんなこと。私たち親子なのに・・・」
「だから、僕も諦めなきゃって。でも、想像だけならって思ってこんな本を買っていたんだ。」
「・・・、そうだったの。でも・・・」
「お願い、一度だけ。一度だけでいいから、母さんを抱きたい。」
「そんな、・・・ダメよ。」
「母さん・・・」
今にも泣きそうになってしまった僕を哀れと思ったのか、母の手が優しく僕の腰を
引き寄せました。
「分かった。またしばらく会えないし、変な女に引っかかって欲しくないし、
今日だけ、今日だけなら許してあげる。」
バスタオルを母の手で優しくはがされ、僕らは獣になりました。
しかし、ホントに一度だけになってしまうとは。
今年もゴールデンウィークに会えることを楽しみにしていたのに、
事故で母は亡くなってしまいました。
最初の、そして最後の母の温もりが忘れられません。
できることなら、また母の肌に触れたい。