昔、住んでいた家の近くの駅のトイレは、男女共用で個室が3個あった。
そこの真ん中の個室と前の個室の仕切りには、ありがたいことに穴が2箇所
開いていた。
1つは前に入ってきた女が立っている状態で、お尻の下ぐらいの位置。
もう1つは、おしっこしている時にお尻が見える位置にあった。
また、そのトイレは個室の横に窓がついており、そこを開けておけばどんな
女が入ってくるか、わかる状態であった。
ある、夏の日曜日。
俺がその個室に潜んでいると、友達のKの彼女のかおりがこっちに向かって
きた。
前の個室に入るのを望みながらも、友達の彼女だけに複雑な心境だった。
果たして、かおりは前の個室に入ってきたのだった。
俺は悪いと思いながらも、かおりがおしっこする一部始終を覗いたのだ。
かおりの右のお尻に2つホクロがあるのも確認した。
そしてかおりがトイレを出る時に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「かおり〜、自動販売機の前で待ってるぞ〜」
それは、まぎれもなく、Kの声だった。
かおりは
「うん、今、行く。」
と言って出て行った。
その後、かおりは3つ離れた駅からこの駅まで毎週日曜日にKに会いにきて
おり、駅につくと大概このトイレを使っていることがわかった。
それを聞いて以来、俺は毎週日曜日の9時40分に到着する電車に合わせて
このトイレの個室に潜むようになった。
この後、1年ぐらい、かおりにお世話になった。